リゾートバイトは、日本各地のリゾート地で、旅行気分で働くことができる新しい働き方です。リゾートバイトを専門とする派遣会社のホームページを見ていると、綺麗なビーチや、BBQをしている楽しそうな写真が掲載されていて、リゾートバイトという働き方のメリットばかり紹介されています。
しかしながら、「リゾートバイトはやめとけ」と言いたくなるような、ブラックな側面があるのも事実です。私自身、5年間のリゾートバイト生活の中で、一度だけブラックな職場で働いた経験があり、残念ながら、リゾートバイトは楽しい職場ばかりとは言えないのが現状です。
今回の記事では、これからリゾートバイトをしようと思っている方に向けて、リゾートバイト専門の求人サイトでは紹介されることのない、リゾートバイトのブラックな部分や、私が実際にブラックな旅館に派遣された時の体験談をご紹介したいと思います。
もちろん、リゾートバイトは職場さえ選べば最高に楽しい働き方なので、これからリゾートバイトをする方は参考程度にこの記事を読んで下さい!
リゾートバイトはやめとけ!?ブラックな旅館に派遣された時の話【リゾートバイト体験談】
ブラックな職場にリゾートバイトをすることになった経緯
長野県の白馬村で、初めてのリゾートバイトを無事に終えた私は、「リゾートバイトって楽しい!友達もたくさんできて、お金も貯めれて最高!」と完全に浮かれた状態でした。リゾートバイトの職場は全て働きやすく、遊びやすい環境が用意されていると勘違いしていたわけです。
このままリゾートバイトを続けて、色々なところに行ってみたいと思った私は、派遣会社の「ヒューマニック」に連絡して、次の職場を紹介してもらうことにしました。そこで送られてきたのが、愛知県の温泉地にある大きな旅館の「ナイトフロント」のお仕事です。
派遣会社の担当の方に詳細を聞くと、どうやら訳ありの求人で、前任者がクビになったからすぐに新しい人が欲しいとのこと。前任者はどうやらお酒を飲みながら仕事をしたらしく、派遣会社としてはやく次の人材を補填したかったようです。
初めてのリゾートバイトが楽しすぎて調子づいていた私は、すぐにリゾートバイトがしたい一心で、なぜかこのナイトフロントの仕事を受けることにしました。
雇用条件は以下の通り
派遣会社 | ヒューマニック |
時給 | 1,200円(深夜手当含む) |
仕事内容 | ホテルのナイトフロント |
勤務時間 | 午後22時から朝6時(休憩2時間) |
勤務地 | 愛知県の温泉地 |
雇用期間 | 3ヶ月 |
時期 | 6月中旬から9月 |
寮のタイプ | 個室部屋(風呂トイレ無し) |
職場は周りに何もない超田舎
地元から電車とバスを乗り継いで3時間。その温泉地は、周りに海しかない丘の上にありました。最寄りのコンビニまで徒歩30分、スーパーは徒歩圏内になく、街の雰囲気が全体的に暗くてここで3ヶ月暮らすのかと思うと、気が遠くなりました。
昭和にタイムスリップしたかのような寮
私が生活することになった寮は、雇用条件に記載されていた通り、確かに個室でしたが、部屋の壁が薄く、6畳ほどしかない質素な部屋で、この時代には珍しいブラウン管テレビと、場違い感のある新しいエアコンが設置されていました。
ベッドは設置されておらず、代わりに古そうな布団とシーツが用意されており、その他には、ちゃぶ台がポツンと置いてあるだけで、他には何もありませんでした。
キッチンと冷蔵庫は共同で、部屋を出た廊下の向かい側にありましたが、窓からツルが伸びていて、虫もたくさん出るし、男の私ですら使おうとは思わないレベルの汚さでした。
寮の廊下には、バッタやクモ、カエルからヘビまで、建物の中なのに、まるで外のような感じで、多くのスタッフはその環境下で生活していたのですが、まるでその環境が当たり前かのような感じて、異様な世界観が出来上がっていました。
職場の人間関係は最悪
田舎にある旅館なので、雰囲気はどこか閉鎖的というか、あまり新入りが歓迎されるような職場ではありませんでした。
職場の人間関係は最悪で、仲居さん同士の仲が悪く(旅館ではよくある話です)、料理人さんはプライドが高くてコミュニケーションが取れないという職場でした。みんなピリピリしていて、挨拶をしても返っててこないような感じです。
ナイトフロントの仕事は超簡単だけど・・・
私は、深夜の時間帯のみ働く「ナイトフロント」という仕事でその職場に派遣されたのですが、ナイトフロントの仕事自体はとても簡単でした。
仕事内容は、深夜0時の消灯作業、館内の見回り、貸切風呂・大浴場の掃除、電話番などです。接客することはほとんどなく、あっても週に一度程度だったと思います。
ただ、深夜の仕事をして分かったことは、どんなに夜型人間で深夜の時間に慣れていても、深夜に働くのは止めておいた方が賢明ということです。私自身、3ヶ月の雇用期間でしたが、どんどん気持ちが沈んでいく感じがありました。コンビニで深夜にバイトをしていた時は平気だったのに、職場環境が変わるだけでこんなにも孤独を味わうとは思っていませんでした。
ゴキブリだらけのスタッフルーム
職場の最悪な雰囲気に拍車をかけたのが、夕食として出されるお弁当の不味さと、スタッフルームの圧倒的な汚さです。
夕食として支給されるお弁当は、食事にこだわりのない私でさえ食べれたものじゃなく(腐りかけの魚?の入ったお弁当や、乾いて新鮮味のないサラダなど)、夕食を食べるためのスタッフルームには小さなゴキブリがたくさん湧いていました。
みんなゴキブリがいるスタッフルームでご飯を食べており、それが当たり前な感じさえしたので、本当に不気味でした。
同時期に入った大学生がバックレる
そんな環境だったので、同時期に働き始めたレストランの大学生がバックレた時はあまり驚きませんでした。
私がフロントで働いていると、休憩に行ったはずのその子が帰ってこないらしいのです。私が呼びに行くことになり、早速、ホテルに隣接している寮へ行くと、部屋の中はすでにもぬけの殻でした。
そりゃ、そんな職場なのでバックレたくもなります。基本的にバックレる人は何か責任感が欠如している気がしなくもないですが、今回に限っては、バックレる勇気に拍手を送りたくなりました。
派遣会社の担当の方に連絡すらしないでバックレてしまったのですから、相当追い込まれていたんだと思います。
ちなみに、この職場では、レストランに派遣された人の大半が契約期間の途中で帰ってしまっていたと思います。
リゾートバイトで期間満了せずに辞めてしまう人は結構いる
このように、職場に派遣されてきても、すぐに辞めてしまう人は、リゾートバイトでは珍しくありません。私が実際に目撃しただけでも10件以上はあります。
私はどちらかというと、仕事が合わなければ早々に辞めてしまった方が良いと考える派の人間ですが、やはり誰にも言わずに急にいなくなってしまうのは、自分のためにもやめておいた方が賢明です。
連絡せずに辞めるとペナルティがある
派遣会社への連絡もなしに辞めてしまうと、この先同じ派遣会社は二度と使えませんし本来支給されるはずであった職場までの交通費も支給されません。
もしかしたら、職場に不利益を与えてしまったために、損害賠償を請求される可能性さえあります。 こうしたことにならないためには、辞める前には必ず派遣会社の担当に連絡をして、辞めたい理由を説明する必要があります。
とにかく、辞めたいからといって一人で抱え込んで逃げることはNOです。
リゾートバイトでブラックな職場に派遣されないためには
ここまで読んで頂くと、リゾートバイトの職場選びはとても重要だということが分かって頂けたと思います。実は、リゾートバイトでブラックな職場に派遣されないようにする方法はとても簡単です。
全ては「派遣会社の担当の方と十分にコミュニケーションをとること」そして、「時間をかけて仕事を選ぶこと」の2つさえ守れば大丈夫です。
派遣先が決まりそうになった時には、必ず担当の方に「前任者は期間満了で仕事を終えられたのか」、「ここ一年で仕事を急に辞めた人はいるのか」など、職場の雰囲気を掴めるような質問をしましょう。
また、時間に余裕をもって仕事を探せば、自分の行きたい場所や、やりたい職業を見つけることも容易になります。今すぐ働ける仕事が一つしかないからといって、焦ってリゾートバイトをすることは止めておいた方がよいでしょう。

リゾートバイト歴は5年で、これまでに4つの職場を経験しました。海沿いにある旅館や、スキー場の中にあるホテルなど、宿泊施設をメインにリゾートバイトをしています。現在は長野県のホテルで彼女とリゾートバイトをしています。